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恐怖のマダニ・・・・
【在シャーロッツビル2013-2014のYNさんからご寄稿いただきました♪】
最近、日本でもマダニ(tick)による感染症で死者が出ているというニュースを見かけますが、ここアメリカ東海岸では、マダニはすぐ身近に潜んでいます。
マダニはクモに近い節足動物で、動物(人間も含む)に数日間寄生して血を吸います。これだけならそれほど危険ではないらしいのですが、怖いのは、マダニが病原体を媒介して、宿主を感染させてしまうことです。マダニが媒介する感染症は場所によって異なるようで、日本で死者が出たとしてニュースになったのは、重症熱性血小板減少症候群という病気ですが(嘔吐、下痢、頭痛などの症状が出て、最悪の場合、死に至ることもあるそうです)、ここアメリカ東海岸で多いのは、ライム病(Lyme disease)です。
ライム病の初期症状は、全身の倦怠感、寒気、頭痛、嘔吐、発熱、関節痛などで、病原体が全身に拡散するにつれて、皮膚症状や神経症状、眼症状、心疾患、関節炎などの症状が現れる可能性があり、さらに病気が進行すると、慢性萎縮性肢端皮膚炎、慢性関節炎、慢性脳脊髄炎、角膜炎などの症状が現れることがあるそうです。
ただ、病原体を持っているマダニに噛まれてもすぐに感染するわけではなく、マダニが吸血を始めてから24~48時間程度経過すると感染リスクが高まるそうなので、マダニに噛まれた場合、いかに早くマダニを発見して取り除くかが重要です。マダニは春から秋にかけて活発になり、山林や草むらに潜んでいるので、この時期に、トレイルやピクニックなどのアウトドアに出掛ける場合、なるべく肌を露出しないように心掛け、帰宅後は全身をしっかりチェックすることをオススメします。
私がこれを書かせていただいたのは、夫がマダニに噛まれたからなのですが、夫は特にアウトドアに出掛けていないにもかかわらずマダニに噛まれたので、この自然豊かなシャーロッツビルで生活する以上、外出から帰ったら、マダニチェックをした方がいいかもしれません。マダニの唾液には麻酔効果のある成分が含まれていて、痛みやかゆみを抑えてしまうため、吸血されていても、宿主は自覚症状がないそうです。夫も、マダニに噛まれている間は何も感じなかったけれど、マダニを取り除いた後にかゆくなったと言っていました。
マダニは、吸血前は2~3mm程度の大きさで、頭部を皮膚の下に埋め込んで、セメントのような唾液で口を固定して吸血を始め、吸血後は1cm程度にまで膨れ上がるそうです。夫がマダニを最初に見つけた時も、マダニは物凄い力で夫の体にくっついていて全く動かず、2~3mm程度の盛り上がったホクロのようだったので、夫も私も虫だとは全く思いませんでした。
このように、マダニはとても強い力で噛みついているので、もしマダニに噛まれているのを見つけた場合、無理に引き抜こうとすると、マダニの体がちぎれて、口の部分や頭部が皮膚の中に残ってしまい、これが炎症を起こすこともあるそうです。また、マダニの体を強く掴むことによって、マダニが持っている病原体が宿主に移ってしまうこともあるそうなので要注意です。
一番いいのは、やはり病院で取ってもらうことですが、自分で対処する場合は、まずはマダニが嫌がる刺激を与えて、自発的に離れてもらうのがいいようです。自分で抜く場合は、なるべく頭部に近い部分をピンセットで掴んで引き抜き、口の部分などが皮膚の中に残っていないか確認するということですが、この確認のためにもやはり病院へ行った方がいいようです。
ライム病に感染してしまった場合、マダニに噛まれてから数日から数週間後に、噛まれた跡を囲むように、赤い円(遊走性紅斑)が現れるそうです。この場合は、抗生物質による治療が必要になります。
いろいろと気持ちの悪い話をしてしまいましたが、マダニにはくれぐれもお気をつけて、シャーロッツビル生活を楽しんでください。